◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【みんなのセキュリティコラム(Grafsec・SPREAD共同コラム)】
2021年 1月13日配信
◆『高校生 ICT Conference 2020年の取り組み』
大阪私学教育情報化研究会
副会長 米田 謙三 様
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
高校生ICT Conferenceは、2011年度に「ICTプロジェクト 高校生
熟議 in 大阪~ケータイ・インターネットの在り方&活用法~」
として大阪でスタートしました。2020年はコロナの影響のため初
の各地域オンライン開催となりましたが、参加できなかった地域
からも参加することができるなどのメリットもありました。今年
は「新しい生活様式とICT活用法」~行動制限の時代に生きる~
をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行い
ました。さらに各地域の、高校生ならではの意見を政府に届ける
べく、11月15日は全国代表オンラインサミットそして12月10日
(リアル会議)には内閣府、文部科学省、総務省で高校生2名が
発表させていただきました。初めてのオンライン開催ということ
もありいろいろと心配もありましたが、多くの方々のサポートも
あり、実り多きカンファレンスになりました。
高校生ICT Conferenceの開催目的には、二つの側面があります。
その一つは、教育的側面であり、初対面の人と話し合うという経
験の中で、段階的に「考え、まとめる、聞く、話す、見せる、伝
える」などの技術を修練することです。第二に社会的に注目を浴
びている携帯電話やインターネットをテーマとすることで、大人
になる準備段階として、携帯電話やインターネットを安心して安
全に使うために、高校生として情報モラルについて自ら深く考え、
実践することで、将来のより良いインターネット利用環境の構築
の一助とすることです。
今年の特筆すべきポイントは新しい形式のファシリテートです。
大阪のConference OB/OGの大学生を中心に今回はオンラインでの
研修会を一回2時間から3時間かけて計4回実施しました。そして
この研修会を全国にも呼びかけ8月末そして9月末に全国のメンバ
ーとも共有させブラッシュアップを図りました。今回初めてのオ
ンラインということで特にファシリテータの大切さを改めて参加
者も認識したことで実現しました。オンラインなのでコミュニケ
ーションのむずかしさ、間合いの取り方、メモの取り方他本当に
細かな点までいろいろと研修を実施しました。今回取り入れたオ
ンラインの手法は現場の課題解決と教育政策形成の新たな手法と
して期待される一方、オンラインでのファシリテータの実績は、
関係者の参画意識の向上、新しいコミュニケーション能力やプレ
ゼンテーション能力の向上、学びあい、協働のための意識と行動
の促進、参加者がともに作り上げる解決策など高い教育効果と民
主的な態度の育成に貢献したと考えます。結果として各地域のオ
ンラインでのファシリテートもどの地域も特に大きなトラブルも
なく活気があり、すばらしいConferenceになりました。
今後多くの教育現場でオンラインでも熟議を望めば実施できるこ
とを共有してほしいと思います。来年度は、リアル形式とオンラ
イン形式で開催地の拡大を企画しています。またオンラインの運
営のマニュアル化も進めていて今年成功した事例をさらに今年未
実施の他地区にも展開したり、オンライン熟議の更なる研修を実
施したりしたいと考えています。
案内ページ:
https://www.good-net.jp/ict-conference/2020/
【執筆者(米田 謙三 様)プロフィール】
大阪私学教育情報化研究会 副会長/関西学院千里国際中等部・高
等部 教諭。
専門分野はICTを活用した効果的な教育。公益社団法人英語検定
協会の派遣講師や文科省委託事業 先導的教育情報化推進プログ
ラム調査研究協力会議委員を務める。また中高生が自らネットモ
ラルを考えるICT Conference実行委員長や警察庁児童のスマート
フォン利用に関する効果的な広報啓発に関する研究会委員を務め
各地で研修も多数実施している。
大阪私学教育情報化研究会
http://www.osaka-sigaku.net/
※みんなのセキュリティコラムの著作権について
みんなのセキュリティコラムに掲載の記事(以下、コラム)の著
作権は執筆者に帰属し、法律によって保護されています。
コラムの一部または全部を著作権法が定める範囲を超えて複製・
転載することを禁じます。