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【みんなのセキュリティコラム(Grafsec・SPREAD共同コラム)】
2021年 8月25日配信
『コロナ禍での学校行事のオンライン対応』
胡口 敬郎 様
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コロナ禍によって、私の子供が通う学校でも様々な学校行事が中
止や規模を縮小しての開催を余儀なくされていました。そんな中、
教員や保護者の有志から学校行事をオンラインで開催することは
できないか?と声が上がり、夏休み期間中の児童参加型イベント
と運動会の保護者向け配信をオンライン対応することとなりまし
た。しかし、このようなオンラインによるイベント開催というの
は前例がなく、かつセキュリティやプライバシーはどうする?な
ど様々な事前の検討が必要でした。本稿ではイベントの実施に向
けて検討したポイントを2点記してみたいと思います。
オンライン化を実現するための機材や回線をどうするか?
当初は学校のデバイスや回線の利用を検討しました。ですが、学
校の機材や回線には様々な管理が行われており、想定されていな
いイベントのためにこれらを利用するのは非常にハードルが高い
と判断しました。そのため、学校側の設備の利用は避けて、保護
者が持ち寄った回線や機材で実施する方針としました。これによ
り既存の環境には影響を及ぼさないイベント専用の環境を準備す
ることができました。
アカウント管理やプライバシーは?
参加者はイベント専用の環境にゲストとして接続してもらうこと
としました。イベントに参加するためのアドレスを保護者だけが
アクセスできるサイトで限定公開する方法をとりました。プライ
バシーについても、児童参加イベントでは参加者のカメラの停止、
運動会ではできるだけ個人の特定を避けるべく、顔のアップでは
なく全体を広く撮影するといった配慮をしました。同時に配信に
用いたサービスもイベントの毎に準備し、イベント後に継続的な
利用を行うような状況を避けるようにしました。今回は学校の環
境とイベント用の環境を切り離す形をとりましたが、この部分は
ルールやポリシー、想定するリスクなどを鑑みて個別に判断する
必要があるポイントかと思います。
今後改善が必要と感じた点としては、今回のイベントで利用した
回線はスループットが不足しており、画質・音質の低下や、配信
が中断してしまったりすることがありました。参加者が多いイベ
ントを実施する場合には、十分な帯域の回線を確保することが重
要と改めて実感しています。
そして、オンラインイベントの開催においては、事後のアンケー
トから配信などのトラブルの指摘はいただいたものの、イベント
自体は参加した児童や保護者、教員の皆さんにはとても喜んでい
ただけました。
現在、GIGAスクール構想によって一人一台のデバイスの展開やネ
ットワークの強化が進んでいると聞きます。オンラインのイベン
トなどにこれらのデバイスを利活用できるように組織のルール策
定がなされるといいなと思います。同時に教員や保護者など関係
者がコミュニティの中でお互いのスキルやノウハウを交換・継承
しあいながら、誰かにお願いすることなく自分たちでこういった
オンラインイベントの開催をいつでも可能とする持続性の向上が
今後は重要なポイントになると思います。
【執筆者(胡口 敬郎 様)プロフィール】
日本マイクロソフト株式会社
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